はかる。
視覚にハンディキャップを持つ知人に、
教わることがとても多い。
彼は見えないからといって、
様々なことに支障は生じても、
あきらめる要因にはしない。
ただ、そんな中でも「仕方のないこと」のひとつに
洗剤を量りいれるというのがあったらしい。
液体でも、粉でも、分量を量らなくてはいけないのは同じ。
そこで最近出た「ジェルボール」的な洗剤。
あれはとても便利だという。
なるほど、それは確かに分かる。
分かるけれども言われてみないと気がつかない。
そんな視点を、いつもくれる。
桜の花とアーモンドの花って似てるんですよ。とか
花の違いなど気にも止めていなかった私には新鮮だった。
畳の香りがとても気持ちよくて、この時期は
寝転がるととても気分がいい。とか
畳のある部屋に住まなくなってから、畳に寝転がる。という
ことは非日常になったことを思い出した。
また野球はラジオで聞いても分かりやすいスポーツだ、とか。
攻守がはっきりしているのと、場所がポジションで結び付きやすいのかもしれないな、と改めて他のスポーツとの違いと音だけでそのスポーツを理解しやすいのか?という視点が生まれた。
同じ球団のファンでもある私たちは、よく野球の話をする。
そして他愛もないことで、当たり前のように笑う。
この時間と出会いは偶然だけれども、
私は彼に対してその視点にきづくきっかけをもらうだけの
何かを返せているのだろうか。
出会ったのは駅の改札口で。
お手伝いしましょうか?と声をかけたのがきっかけ。
かえってご迷惑にならないといいのだけれど、とか
色々グズグズと考えているよりも、
話しかけて要るなら要る。
要らないんやったら、その時はその時やし。
くらいでもいいから、
声をかけられた方がありがたいと彼は言っていた。
もしも、時間に余裕があって、
声をかけるためにほんの少しだけ
勇気を出すことができるようなら、
世界は少しだけ
優しさを循環させることができる気がする。
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