思い出が私を甘やかすから

ギターを片手に、作った歌を聴かせてくれた。
真っ直ぐな想いを、透明な歌声に乗せて、
そんな君に思われることの幸せを、
私は今頃、気づいたよ。
君のための歌と何曲も湘南の海で、
夜明けまで歌い続けて。

いつか隣で目覚めるのが当たり前になっても
ずっと好きでいると口説いてくれた。

私が想う誰かを知らないふりして、
私が誰かを想っていることを知らないふりして、
どんな気持ちで歌ってくれていたんだろう。

泣きながら彼のことを話した夜中の電話も
他愛のないことばかりで意味のない言葉のラリーも
ぜんぶ、私のためだと知っていたけど。

今頃気づいたよ、君がどんな思いで居たのか。
私も好きな人がいる人を好きになってしまいそうだから。

夜中に聴こえてくる、私だけに向けられた吐息も
眠そうな声も、柔らかな歌声もぜんぶ、
覚えている。
私を甘やかしてくれる、素敵な思い出。

Hina 2018

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