音楽と言葉

音に思想や歴史(時代性)が含まれるのは
誰しも感覚的に腹落ちする。
少し前の歌謡曲と呼ばれるジャンルはやはり
それはそれの特徴的な音を持つ。

それと同時に「意義」を持つ音楽はあるけれど、
思想や感情と直接結び付くものとは限らない。
感受性の結晶が音楽だとするならば、
歌はどう捉えられるのだろう。

インストはその音だけの純度で計られる。
音にもたくさんのベクトルはきっとあって、
それとはまた別に関係性を持つ音と言葉の関係。

言葉は、ドビュッシーによって、
「音響的価値しかない」と第九のシラーの詩が評されたように
音の添え物のように扱われることもあれば、
言葉がその意味を音によって増幅させることもある。

歌の感じ方で前者が洋楽やリズム感溢れる音なら
後者は情緒的なその言葉による物語が魅力になる。

それらの物語が基本同じような音にのせられて
語られるのであれば、
予定調和的に好きな展開を繰り返し何度も体験する
次に来る音を知っていても、
その展開が同じであろうことは知っていても、
人はその魅力に麻薬のようにはまる。


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