想いのかたち

過去を過去として、積み上げてきた自身の地層として、大切に考えている。

なかでも印象深かった人たちは付き合いの深さや長さに関係なく、記憶にとても色濃く残っている。

スポーツを懸命にしているひとで。スポーツに関連することで生計を立てていることもあって、生活スタイルはもちろん色んな感覚が違った。

普通なら交流することすら、なかったであろう人。

すごく好きで毎日がその人一色で、メールひとつ、LINEのメッセージひとつ、かわす言葉の全てが大切なくらいに好きだったけれど、今は普通に見ることが出来ている。

恋愛感情から尊敬に変わり、いろいろな記憶の共有は写真や文章で残っている。

けれど、今はいちばんにならない。

それは嫌いになったりしたわけじゃなくて、想いのかたちが変わって、強さも変わって、別に悪いことじゃない。

同じく、今好きなものも、人も、次の瞬間には何かに代わるかもしれない。

刹那的なものばかりではないけれど、形のないものほどそういうことを感じる。

あの彼に会うために、よく乗っていた電車に乗りながら、そんな思い出を思い出したのでした。