アーティストトーク 第二部 ④笹本晃
2-④笹本晃《Yield Point(降伏点)》《ランダム・メモ・ランダム》
展示について:
B2一番奥の展示室にある《Yield Point》と
その手前にあるモニタで流される《ランダム・メモ・ランダム》が設置されており、
3月16日・17日にYield Pointのパフォーマンスが行われました。
きっかけとなる事象:
1年ぐらいかけて考えていたことが詰まっている作品。
どこが出発で始まったか思い出せないけれど
ひとつは、どこかに深い穴を掘ってその底にトランポリンを置いて
地上線を行ったり来たりしたいという思いがあった。
→NYでは市に止められて出来なかった
⇒インドで3mくらいの穴を掘って行った
穴の底にトランポリンを設置し、地上と地中をジャンプして行き来したい
地中死んだ人、地上は生きている人、インドに行ったこともあったせいか
(生死に結び付けて考えることも)あった。
ふたつめは、すごく疲れていたんですが。教授の仕事もあって、恋人もいて、
のみたいけれど健康の限界もあって。
教えていると自分のリミットが若い人に勝てないっていうことに気が付きだして。
どうやったら夜中の3時くらいまでのめるか。
若い感じの名誉教授の人とから同い年なのに年を取って見える人を観察した。
数値はいくつだろうと。そこで、elasticity(弾力)という作品にしようと。
みっつめは大学で教え始めたことがきっかけで、彫刻を教えている。
いい意味でくさい人たちしかいないんだけれども、アカデミックな人とも
話をしようと思い、エンジニアリングや建築の人と何かのきっかけで飲み仲間になった。
研究室に来ていいよと言われるようになって、仲良くなってラボで使ってる、伸ばして
壊す機械を使わせてもらうようになった。
そのあたりの3つのことが重なったことがあり、ごみとかっていう興味もあって。
英語でダンプスターダイビング(参考サイト) お金持ちの人がごみを捨てる
ごみ箱に潜り込んで、拾ってきたりするのがある。
レストランの裏のごみ箱なんかでも行われているけれど、
落書きみたいにかっこいいとされる文化で。
正規の値段で買ってくると高いので、みんなでダンプスターダイビングで
リサイクリングに長けている学生が集まってきている。
それとごみ箱があいまって出来上がっている作品。
パフォーマンス性を網羅したいという展示にしたいと思い、
インスタレーションを作ってその中でパフォーマンスをするという作品になっています。
会場からのQ&A
Q.ポスターやwebどで穴から顔を出す画像があったので、どこで穴を掘ってやるのかなと
ワクワクして来たら違ったのでがっかりしました(笑
Q.ごみ箱はアメリカから持ってこられたんですか?→はい
Q.実際、どう見えたんでしょうか?
A.パフォーマンスで客が入っていると人様の靴をみて終わるんですが、
線がブレるイメージ。ゴムを使っているんだけれども、電車を待っているときに
伸ばしたりしていると1本だけど2本に見えたりしているのと同じで
ここに注目すると平らに見えない。意図的に見方を変えるので毎回違って見える。
バレエをやっている人とか、全然関係ないことを考えて踊っていると聞くので、
何回も飛んで日常化するというか。
Q.ゴミ箱と地中は違いましたか
A.地中は土臭い。ごみ箱は自分で作って塗ったので、匂いがない。本物はもっと臭いと
思う。
色んな穴に入ろうと思って。
ダンプスターを作っている工場というのがあって、ミニマリスムのインスタレーションみたい
に並んでいるところにも行ってみて飛んでみたり。
空が風景だと気持ちよかった
今後も穴に入っての
地中のことはよく考えて、美術館自体も
地下に関しては興味がある。
世の中の大抵はマジョリティで動いているけれども、マイノリティに興味がある。
地中というのは地下で動いている人は地上で動いていることも地下のことも知っているけれども
地上の人は地上のことしか知らないと思っていて。なので地下の人と仲良くなりたいというか。
Q.弾性率の違いの考え方は面白いと思ったんですが、
A.中学生の時の友人と人間観察をしているときもどう表現するかで
あだ名を擁護と結び付けて、あいつ絶対デルタだよね。
弾性定数が高いよね。というところから。
ばれないようにあだ名でつけて。
フルーツや番号で呼んでいたところからきています。
関連webサイト:
ご本人のページ / 文化庁文化交流使紹介ページ /
京都国際現代芸術祭《ラストコール、誤りハッピーアワー》2015
ハドロンとしてのインスタレーション/パフォーマンスについて インタビュー
パフォーマンス You Tube:
今回の展示についてのインタビュー YouTube:
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