アーティストトーク 第二部 ②植松奎二

展示について:

B2フロアのエスカレーターを降りて、すぐにあるナイリー・バグラミアンの

白い《フレンチ・カーブ(雲形定規)》の奥に、

作家自身の映像が映っているマリーナ・アブラモヴィッチの

《アートは美しくなければならない、アーティストは美しくなければならない》が流れている。

その隣の展示室の奥側の壁に飾られた写真の作品が《石、ロープ、人》1974 国立国際美術館寄託

向かって左手側の壁に投影されているのが《Degree-Light》1978 作家蔵


トークはじめ:

よろしくお願いします。

あの…とかそれで…と結局…とか言いますけど、結局に繋がることは

ありませんので(笑

それで聞いて頂けたらと思います。


作品について:

この作品は写真の作品とスライドの作品からなっています。

1974年に作ったので、今から44年前の27歳の時に作った作品です。

写真で見てもらったら分かる、石を振り回す作品と電球を振り回す作品です。

この仕事を始めたのは69年くらいからで、立体の仕事をしながら

写真の仕事やフィルムやパフォーマンスの仕事にも興味があり、

写真でしかできへん表現を。ということでやった作品です。


写真というのは瞬間。シャッターを切った瞬間を切り取れる。

石を振り回す、電球を振り回す、

電球の方はシャッタースピードを遅くして光で時間の連続を表し、

石の方は瞬間とか停止とかを表すことが出来る。


1970年代の制作について:

この頃の制作ノートを見てみると

なぜ石は存在するのか、

地球は丸い石が落ちるとかとか、そういうことは学校で習うけど

ほんまになんでなんやろうということを考えていて、

そういう言葉だけで済ませたくないという気持ちから

自分の体を使って作品を創るようになりました。

この頃、色んな事をやりました。


同じように、引力や重力に興味があって、重さというのは目に見えない。

重力は目に見えない。

距離とかは目で見える。

じゃあ、見えない重力を見える形にしたい。という思いがあって。

直線と曲線、同じ振り回す行為から生み出されていて、

振り回すことは同じだけれども写真に撮ったら

シャッタースピードを短く、長くという変化で、

行為は同じでも全然違うものが出来る。


同じようにこのころ創った作品で

紙があって絵の具をおいて指をずらすと絵具の痕跡が出来る。

紙をあって絵具をおいて、紙をずらしていくと同じように絵具の痕跡が出来る。

出来上がったものは同じだけれども行為が違うと作品。


石を離す、ほりなげるなど振り回すことによって万有引力を見出し、

宇宙の構造とか月と地球、太陽と地球、星と星とか、

石を振り回すことなんだけれども、

そういう小さなことで小さな宇宙空間みたいなものを作ってみたいとの思いがあった。


作品から考えてもらえたらいいなと思っている言葉:

この作品から次のような言葉を考えてもらえたらいいなと思って、書き出していた

言葉がある。(※全部書き留められなかったので、一部のみ)


Visible-Invisible

relations-norelations

gravity-ungravity

sense-nosense

cosmos-earth

continue-discontinue

physical-metaphysical


そういうのを考えながら、制作ノートに書いています。

実際に何が知りたいかっていうたら、

実際に自分が見たことがないものをやってみたい。

そういうのを自分でやってみたいというのをアイデアノートに

書いていました。

一番、最初に見てみたいのは僕。そのあと共有していく、

そういう感じでいつも仕事しています。

ありがとうございました。


関連webサイト:

wikipedia / Gallery Nomart / YUMIKO CHIBA ASSOCIATES

ARCHITECTURAL DESIGN in・pro


インタビュー記事:

KOBECCO 

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