心のまど
私の好きな本に建築関係の本があり、窓に特化した本がいくつかあります。
たまにぱらぱらとめくるのですが、その中で「窓」と建築についての格言を集めた本の中の好きな一説に、清家清さんの
「日本の”間戸”は日中開いているのが普通の状態、窓を開けるというのは明ける、
すなわち明るくすることなのです。
閉まっているのが常態の外国の”窓”とは全く異なる概念だといえるでしょう。」
という文章があります。
初めて読んだ際には、まどを間戸ともいうこと自体が初めて触れる概念でしたが「柱と柱の間の”戸”」を由来とする日本のまどについての表記はしっくりとくるものもありました。
洋風へと変化する中で生まれた聴竹居を訪ねた時の明るさの中の柱のない窓とはまた違った、日本の薄暗さを彷彿とさせる何間も続く広々としながらも影の残る”住まいの薄暗さ”を明るくする間戸。
古き時代の家屋についてまた調べてみたく、体験したくなると同時に、自らの心のまどについても考えた一文でした。
0コメント